~夏も近づく八十八夜~♪で有名な八十八夜ですが、八十八夜とはどういう意味があるのでしょうか?
私は、『夜』とあるので月に関係するのかな?と思っていました。
でも、八十八夜は農作業が中心だった日本にはとても大切なことだったんです。
そんな八十八夜とは何か?や八十八夜とお茶との関係について調べたので、参考にしてください。
八十八夜とは?
八十八夜は暦日である雑節のひとつです。
雑節は一年間の季節の節目となるもので、二十四節気を補うためにあると言われています。
農作業が中心だったころの生活に溶け込んだ暦日で、一年間の季節の移り変わりを的確につかむことができます。
有名な雑節として節分や土用があるのぉ。
八十八夜は二十四節気でいう「立春」から数えて88日めの日を指します。
毎年5月初旬、5月2日頃がこの日にあたり、2021年の八十八夜は5月1日(土)です。
そして、その数日後には二十四節気でいう「立夏」になります。
2021年は4日後の5月5日(水)が立夏じゃ。
夏がすぐそこまで来ているという時期ですね。
「八十八夜の別れ霜」は、八十八夜の時期に急に気温が下がり、霜が降りることを表した言葉です。
農作物の新芽が出始めたころに霜が降りると、大きな被害になるわけですが、八十八夜が過ぎると気候も安定して、霜が降りるようなこともほとんどなくなります。
八十八夜は、霜の降りる心配もなくなり、種まきや田植えなど、農作業の夏の準備を始める目安となっていたんですね。
八十八夜とお茶の関係
八十八夜というと「♪夏も近づく八十八夜~」の歌が思い浮かびます。
この歌は『茶摘み』といって
野にも山にも若葉が茂る
あれに見えるは茶摘みじゃないか
あかねだすきに菅の笠 ♪
歌詞にも「茶摘み」の言葉があります。
この歌がきっかけで、八十八夜といえば茶摘みというイメージがありますよね。
ただ、全国一斉に八十八夜に茶摘みが行われていたわけではないようです。
お茶の木は立春ころから地中に新しい根をはって、栄養分を蓄えて春を待ちます。
そして暖かくなると新芽を出し、茶摘みとなるわけですが、茶摘みの時期は地域によって異なります。
だいたい4月中旬ごろに九州から始まり、北上して八十八夜に茶摘みが行われるのは関西が多いです。
茶摘みの歌も、京都の宇治田原町で歌われた「茶摘み歌」がもとになっているといわれているので、時期的にぴったりな歌だったのでしょうね。
八十八夜のお茶が縁起がいい理由
八十八夜に摘まれたお茶は縁起物と聞いたことはないでしょうか?
これは、八十八夜は末広がりの『八』が重なって、とても縁起が良いからといわれていて、わざわざこの日に茶摘みをするところもあるそうです。
また、「八十八夜に摘んだお茶を飲むと長生きできる。」ともいわれています。
お茶の木は生命力が強く、葉を摘んでもまた新しい芽が生えてくるので、年3回ほど茶摘みが行われ、一番最初に茶摘みされたお茶を一番茶と言います。(一番茶と新茶は同じ意味です。)
八十八夜ごろの新茶は柔らかく、若々しい香りと旨味成分が豊富に含まれているんです。
一番茶以降の二番茶、三番茶になるにつれて、茶葉が硬くなり渋みが多くなります。
つまり一番茶が香り・味ともに一番よいというわけです。
一番茶の旨味成分にはリラックス効果があるともいわれておるぞ。
「八十八夜に摘んだお茶を飲むと長生きできる。」という言葉には、香り・味ともに抜群のお茶を味わえることに対して、感謝の気持ちを込めていたのかもしれませんね。
まとめ
八十八夜のころに摘まれる新茶。
この時期にしか味わえないお茶を大切にしてきたのだろうなと感じました。
旬のものにはパワーがあると聞いたことがありますが、新茶はまさに旬のものですね。
これからは長寿を願ってじっくり味わいたいなと思います。
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